「コーチングの資格を取ったのに、クライアントに価値を届けられている実感がない」
「セッション後に”これで良かったのかな”と自信が持てない」
そんなふうに感じたことはありませんか?
この記事では、すでにコーチング資格を取得しているコーチを対象に、コーチング力をさらにレベルアップする方法を、5つご紹介します。
記事を読んだあとは、いま抱えているモヤモヤが晴れ、「これならできそう!」と前向きに取り組める小さな一歩が見つかるはずです。さっそく見ていきましょう。

【この記事を書いた人】
つよぽん
専門ジャンル:人生、挑戦、教育
そもそも「コーチングスキル」とは?
「コーチング力を高めたい」と思ったときに、まず押さえておきたいのが「コーチングスキルとは何か?」という問いです。これは単にクライアントに対して「うまく質問する力」や「話を聞く力」だけではありません。
コーチングスキルとは、「クライアントが自分自身の力で課題を整理し、気づき、行動につなげていくプロセスを支援する一連の技術と態度」のことです。具体的には、以下のような力が含まれます。
- 傾聴力:話の内容だけでなく、感情や背景も含めて聴く力
- 質問力:相手の思考や視野を広げるための問いを立てる力
- 共感力・承認力:相手の状態や変化を受けとめ、力づける力
- 構造化力:対話を意味のある流れに整理する力
- セルフマネジメント力:自分の感情や思考を整え、フラットに関わる力
これらのスキルは相互に関係し合っています。そのため、「どれかひとつがあればOK」というものではありません。だからこそ、自分の得意・苦手を認識しながら、少しずつ全体を底上げしていく意識が必要です。
高める方法① 5分間の振り返り

コーチングのスキルは、すぐに身につくものではありません。ですが、資格取得に向けて学習する前と今では、コーチとしてのスキルや在り方が別物になっているでしょう。コーチングスキルは、 ゆっくりと時間をかけて育てていくものです。
短時間で取り組めるおすすめの方法は、セッションの終わりに5分間だけでも良いのでセッション内容を振り返ることです。振り返る内容を以下の3点に絞ると、5分間で終えることができます。
- 今日のセッションで印象に残ったやりとりは?
- 自分の問いで、クライアントの変化を感じた瞬間はあったか?
- もう一度やるなら、どこを変えるか?
習慣化するポイントは、形式や時間にこだわりすぎないことです。箇条書きなど、5分間で終わるように簡略化することで、振り返りを継続させやすいでしょう。
また、振り返りの材料として、クライアントに振り返りアンケートを実施するのも効果的です。セッションの満足度やその理由、伝わりにくかった問いなどを共有してもらうことで、クライアント目線でもセッションを振り返ることができます。このように振り返りを繰り返すことで、あなたのコーチとしての強みや課題を見つけることができるでしょう。
高める方法② セッションを録画して見返す
自分のコーチングを録画で振り返ったことはありますか?
自分のセッションを見るのは、最初は誰もが恥ずかしいと感じるものです。セッション後の5分間の振り返りと比べて時間はかかりますが、録画して見返すことも、コーチング力を高めるには効果的です。
セッション中に、つい使ってしまう表現や言葉はありませんか? もしかしたら、口癖として無意識に使っているワードがあるかもしれません。言葉などの細かいところは、セッション後の振り返りだけで気づくことが難しいでしょう。
また、クライアントの表情の変化も見返すことができます。セッションを通して、クライアントはモヤモヤしている表情から、何かに気づいてハッとする表情に変わっているかもしれません。もし、もう一度その瞬間に戻れるとしたら、あなたはどんな言葉をかけますか?
セッション全体を通して、客観的に分析するには、録画の振り返りが必要不可欠です。確かに時間はかかりますが、録画を見返して反省することで、自分のコーチング力の向上に繋がるでしょう。
ただし、ひとつ注意点があります。それは、セッションを録画することについてクライアントに同意してもらうことです。 守秘義務の観点から、セッションを無断で録画することは、コーチの信頼を失うきっかけになるかもしれません。そのため、事前に契約内容を見直して、クライアントから同意を取りましょう。
高める方法③ ICFのコア・コンピテンシーを深掘りする
あなたは、ICF(国際コーチング連盟)のコア・コンピテンシーの内容をどれくらい覚えていますか? コーチングを学び始めた頃や資格試験の勉強期間は、よく読み返したはずです。ですが、その後復習した人は少ないのではないでしょうか。
「なんとなく聞いて、なんとなく問いかけている」セッションから脱却するには、ICFが定めるコア・コンピテンシーを読み込み、理解を深めることが重要です。
特に注目したいのは、以下の3つです。
- 信頼と安全の関係性を築く:クライアントと良いパートナー関係を結べているか?
- 非言語の部分も傾聴する:クライアントの言葉に加えて表情や雰囲気も読み取れているか?
- 学習と成長を促進する:対話の終わりに行動への一歩が見えているか?
コア・コンピテンシーに書かれている定義を暗記しなくても大丈夫です。以前に学んだことを思い出しながら、自分のセッションを振り返ってみましょう。あなたの強みや課題に気づけるはずです。
また、コーチに求められることを意識しながら実践に結びつけることで、よりスキルが深く定着していきます。原点に戻って、ICFのコア・コンピテンシーを読み返してみてはいかがでしょうか。
高める方法④ AIをクライアントに見立てて練習する

あなたはAIにクライアント役をお願いして、コーチング練習をしたことはありますか?
実は、生成AIを使ってコーチングの練習をすることができます。あなたは、どんな人にコーチングを届けたいですか?
もし具体的なクライアント像をイメージできるなら、それをAIに伝えてみてください。AIがその人物像になりきって、セッションをすることができます。
AIとのコーチングでは、同じテンポで問いに答えてくれます。そのため、同じ1時間のセッションでも、多くの問いかけをすることができます。また、沈黙を気にする必要もありません。普段は焦って問いを投げてしまったり、必要以上に沈黙の時間を取ってしまうこともあるでしょう。しかし、AIとのセッションでは、時間を気にしなくて大丈夫です。どのような問いをすれば良いか、時間を使って考えることができます。
また、セッション後は、振り返りの項目を提示することで、AIがセッションを評価してくれます。あなたが課題と感じているポイントに絞って、評価してもらうことも可能です。コーチング仲間からのアドバイスでは聞けないようなことも、AIなら伝えてくれるかもしれません。
AIを使えば、あなたが目指すコーチングスタイルに沿ってクライアントの状態をカスタマイズすることも可能です。また、セッションの日程を調整する手間も省くことができます。まずはスキマ時間を使いながら、AIをクライアントにしてコーチングの練習をしてみませんか?
高める方法⑤ テーマを決めて小さな成功体験を積み重ねる
最後に大切なのは、「できた」という実感を少しずつ増やしていくことです。そのために、何かひとつ、テーマを決めてセッションに臨んでみましょう。
あなたは最近、どんな課題を抱えていますか? どんなことを意識して、コーチングしていますか? 意識してセッションをすることで、気づきを得られるかもしれません。
また、次のようなことを言われたことはありませんか?
- フィードバックで「変化が起きた」と言われた
- 自分の問いでクライアントがハッとした顔をした
- セッション後に「またお願いしたい」と言われた
こうした瞬間を、どこかに記録しておきましょう。あなたのコーチングがクライアントに届いた結果です。このような瞬間や成長を感じられる機会がないと、継続することが難しくなります。
セッションやクライアントについてまとめているノートに、「今日の小さな成功」として書いておくと、あとで見返すときに自信になるでしょう。「プロとして稼げるようになりたい」という思いが実現するのは、こうした小さな成功を積み重ねた先にあります。
まとめ:まずは「5分間の振り返り」から始めよう
コーチングスキルとは、「クライアントが自分自身の力で課題を整理し、気づき、行動につなげていくプロセスを支援する一連の技術と態度」のことです。ここまで紹介してきたコーチング力を高める5つの方法は、どれも特別な才能や準備がなくても始められるものばかりです。
特におすすめなのは、「5分間の振り返り」です。これなら今日からでも始められますし、やってみることで自然と他の取り組みにもつながっていくはずです。
迷ったときは、「今の自分にできる小さな一歩」を大切にしてください。その一歩が、あなたのコーチング力を確実に育ててくれるはずです。


